旅の情報
ロマネスク教会堂は、イスラムの勢力下にあったイベリア半島南部を除く、ヨーロッパ全域に造られました。その後、多くはゴシックやバロックに改築され、また一部は崩壊したり、破壊されて消滅してしまいました。このため当時の面影を残すものは少ないのですが、とはいえその数は相当なものがあります。
これらのロマネスク教会堂を地方毎にまとめ、写真入りで紹介している貴重な文献がフランスで刊行されているゾーディアック叢書で、教会堂のある場所を示す詳細な地図と重要な教会堂を紹介しています。全文フランス語なので残念ながら内容は理解できないのですが、「少なくともここで紹介された重要な教会堂だけでも訪ねてみよう」ということから私のロマネスク巡りは始まりました。
現在70巻程刊行されており、フランス・スペイン・イタリアは殆んど全域がカバーされています。私はパリに行く度びに本屋で少しづつ入手してきました。東京、渋谷区恵比寿にある日仏会館の図書館で、主要な物が閲覧できます(tel 02-5421-7643、http://www.mfj.gr.jp/index-j.html)。日本でも、ロマネスク関係の本は美術史、建築史、写真集、紀行等さまざまな分野から出版されるようになりましたが、情報量では格段の差があります。
また、ロマネスクはヨーロッパでも静かなブームにあるようで、教会堂周辺の売店や土産屋で各地方のロマネスクを紹介した本が売られています。これらを加えると、訪れてみたい教会堂の数はますます増えていきます。
フォントネーにはモンバール駅から、ヴェズレーにはアヴァロン駅から、コンクにはロデス駅から、それぞれタクシーに乗り変えれば訪れることができます。しかし山ひだの奥のロマネスク教会堂には、レンタカーでなければ訪れることは不可能です。
私のロマネスク巡りは、まず訪れる地方を決め、その中心都市でレンタカーを予約することから始まります。
レンタカーはAvisかHertsで、日本で予約しておきます。ヨーロッパの村の中心は中世の狭い路地が残っているため、車は小型車に限ります。殆んどがマニュアル車で、エアコンのないものが多いので、オートマチック車やエアコン付の車を望む場合には指示が必要です。
ヨーロッパのドライブは、道路標識が整っており、郊外に出れば交通量も少ないので極めて快適です。
そして必携なのはミシュラン等の道路地図で、パリや地方の中心都市で入手します。20万分の1(1センチ2キロ)程度の地図がよく、精度は抜群なので、これを丹念に見れば教会堂のあり場所もわかり、道に迷うこともありません。
詳細な道路地図の日本での入手は困難のため、具体的なコースとスケジュールは現地で決めることになります。初めての土地であり、予想外のこともありうるので、スケジュールは余裕をもって立てることにしています。
フランスの田舎には1つ星、2つ星クラスのホテルが沢山あります。通常の場合、予約なしのぶっつけで心配はありません。スペインでは数は少なくなりますが、やはり予約の必要まではないと思います。但し、夏のバカンス・シーズン、特に聖母被昇天祭のある8月15日前後はバカンス客と帰省客で田舎のホテルは満杯となってしまうため、また冬は休業するホテルが多いため、どちらも覚悟が必要です。
田舎道をドライブしていると、思いもかけず酒落れたプチ・ホテルに出会うことがあります。そんなときは忘れずに地図にメモしておきます。これらのホテルはレストランを兼ねていることが多く、土地の食材を使った美味しい料理とワインを提供してくれます。部屋代は大変安いので、ホテルにとって食事は大切な収入源となります。このため、チェックインの時にディナーを予約すると笑顔が返ってきます。
フランスではLogis de Franceというホテルの組織があり、これに加盟したホテルが全国に点在しています。部屋も料理も一定の水準以上が確保されているので、このホテル・リストを入手しておけば、田舎巡りのホテルの心配はなくなります。
まずは、巡る地方と日程を決め、航空券とレンタカーの予約をして旅立ちます。パリもしくは中心都市でミシュランの道路地図を購入し、ゾーディアック叢書の地図に従い、具体的なコースとスケジュールを立てます。そして、早速、レンタカーで出発です。
当初は通常のフィルム・カメラで撮影していたので、暗いロマネスク教会堂内部ではフラッシュをたいても殆んど写らず、落胆の連続でした。デジカメを使ってみて、教会堂内部がノンフラッシュで明るく写ることを知り、すっかり病み付きになりました。
現在は、デジカメを三脚に据え、手ぶれを防ぐためリモコンのシャッターで撮影しています。